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「旅する蝶」が激減 入り組んだ人為的影響 [環境]


北米西部に生息するオオカバマダラというチョウ。
全米野生生物連盟によると過去20年で合計80%以上の落ち込み

最長クラスの距離を移動するこのチョウ、
オオカバマダラの大移動を困難にしているものは何なのか・・

「調査によっていくつかの原因が浮かび上がりつつある。一つは、オオカバマダラ
の幼虫が食べる唯一の餌、トウワタに起きた異変。さらには、気温上昇にともなっ
てオオカバマダラの移動が困難になっている可能性も指摘されている」

除草剤耐性のあるトウモロコシと大豆の指摘もされている。
チョウにとって不可欠な植物トウワタが・・

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【動画】オオカバマダラの大群が毎年やって来る越冬地
この頁に動画あり

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2018.12.31
「旅する蝶」が激減、入り組んだ人為的影響
北米を数千キロにわたって大移動するオオカバマダラ、西部個体群は86%減少
ナショジオ

オオカバマダラというチョウは、毎年秋に大移動をすることで知られる。
夏のすみかである米国北部とカナダから、冬の生息地であるカリフォルニア州と
メキシコへ集団で移動するのだ。

だが、最長4800キロにも及ぶ壮大な渡りは、過去のものになるかもしれない。

2018年11月にオオカバマダラの西部個体群(北米西部に生息)を調査したところ、
カリフォルニア州で冬を越す個体数が、わずか2万456匹にまで急減したことがわか
った。昨年と比べて86%も減少している。

また全米野生生物連盟によると、今年メキシコで越冬している東部個体群(
北米東部に生息)は、昨年に比べて15%減り、過去20年で合計80%以上の落ち込み
だという。


昆虫の渡りとしては最長クラスの距離を移動するこのチョウをめぐっては、近年、
悪いニュースが相次いでいる。2018年の計数結果はその最新版でしかない。

減少した原因は、人間にある。人間の活動による気候変動と生息地の喪失という2
つの圧力が、北米のオオカバマダラを絶滅の危機に追い込んでいる。

調査によっていくつかの原因が浮かび上がりつつある。一つは、オオカバマダラの
幼虫が食べる唯一の餌、トウワタに起きた異変。さらには、気温上昇にともなって
オオカバマダラの移動が困難になっている可能性も指摘されている。

「環境上の多くの脅威が重なり合うことがありえます」と、米ウィスコンシン大学
の昆虫学者で、同大学の植物園園長でもあるカレン・オーバーハウザー氏は話す。

しかし専門家らは、まだすべて失われたわけではないと言う。
気候変動へのさらなる対策はもちろん、トウワタをうまく増やしてやれば、旅する
チョウに欠かせない食料と居場所を提供できるかもしれない。


トウワタはどこへ消えた?

米カンザス大学の昆虫学者チップ・テイラー氏がオオカバマダラの危機に気付いた
のは、2004年、ある農家からのメールがきっかけだった。

除草剤耐性のあるトウモロコシと大豆が生み出されたことで、トウワタなどの雑草
や低層植物を農家が根絶できるようになったのだ。

オオカバマダラを研究していたテイラー氏は、不安を覚えた。中西部の渡りルート
に生えたトウワタは、このチョウにとって不可欠な植物。だが新しい作物品種の
出現は、トウワタの死を意味した。


その後数年にわたるデータは、テイラー氏が最も恐れていたことを裏付けていた。
オオカバマダラの数が急激に減り始めたのだ。「ごくわずかな期間でオオカバマダ
ラは大打撃を受け、重大な影響が出ました」

農場からトウワタが消えたことに加えて、干ばつも悪影響を及ぼした。
テキサス州では2013年に干ばつでトウワタが大幅に減り、その年のオオカバマダラ
減少につながった。

トウワタの消失で、愛する美しいチョウがリョコウバトやマンモスと同じ絶滅への
道をたどるかもしれない。人々のそんな不安が見当違いでなかったことが、この数
年に出た数々の論文から明らかになりつつある。

気候変動を引き起こしているのは、化石燃料の燃焼による大気中のCO2(二酸化炭
素)濃度の上昇だ。

米スタンフォード大学の生態学者レスリー・デッカー氏は、CO2濃度の上昇によっ
て、トウワタによる化合物生成に異変が起きている可能性を指摘する。

トウワタは、毒性をもつ化合物カルデノリドを生成するが、オオカバマダラはこの
毒にある程度まで耐えられるように進化してきた。そしてカルデノリドを体内に
蓄えることで、捕食者を遠ざけている。




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